セロニアス・モンクもジョン・コルトレーンもジャズ史に名を残す大物だが、本盤は大物同士の共演盤という以上に音楽的価値がある。同じコルトレーンでも、大先輩デューク・エリントンとの共演盤とは意味が違う。コルトレーンを含む「レギュラー・モンク・カルテット」はあまり録音が残っておらず、目撃した者の話などによりその凄まじさが伝えられ伝説と化している。
コルトレーンが参加していたマイルス・デイヴィス・クインテットが一時解散。すかさずモンクは、実力を付けた彼を1957年の『Monk’s Music』に起用する。しかしこれは4管編成の主にアンサンブル要員であり、コルトレーンが活かされているとは言い難い。本盤にはこの時のセッションも2曲含まれているが、目玉は、フロントがコルトレーンひとりであるカルテット演奏「ルビー・マイ・ディア」「ナッティ」「トリンクル・ティンクル」の3曲。この3曲のためだけに購入しても損はない歴史的名盤。(高木宏真)

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